博士課程修了生の花塚優貴さん(現 中央大学人文科学研究所 客員研究員)の研究成果が、動物園水族館雑誌に掲載されました。詳細は以下の通りです。
<論文タイトル>
認知エンリッチメントツールとしての iPad の利用可能性
スマトラオランウータンを対象とした事例研究
<掲載誌>
動物園水族館雑誌 Jour.Jpn.Assoc.Zoo.Aqu.,56(3):71-79,Jul.2015
<要約>
スマトラオランウータン 1 頭を対象とし、iPad の認知エンリッチメントのツールとしての利用可能性を検討した。室内放飼場兼寝部屋内にiPad を設置し、描画アプリケーションとインターネット電話アプリケーションに対する反応を記録した。その結果、描画アプリケーションでは、指や上唇を用いて線や点を描画する行動が確認された。またインターネット電話アプリケーションにおいては、担当飼育員に対して非担当飼育員よりも長い注視反応が見られた。また担当飼育員にのみ 上唇で画面に触れるという行動も観察された。さらにiPad を操作できるよう要求するような行動が認められた。以上の結果から、iPadはオランウータンの認知エンリッチメントのツールとして有用であることが確認された。
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